更新終了によせて


 こんにちは。管理人の多摩ゆらです。いつものお言葉ですみませんが、こんなところまで読んで下さってありがとうございます。

 さて……「軌跡」をようやく無事に完結させることができ、Dum spiro,speroのLamento夢も一応の区切りがつくこととなりました。
 連載を始めてから丸二年(2006年の大晦日が初upでした)。長かったようで短かったようで、やはり長かったように思います。濃密な時間を過ごしました。正直…頑張った!(自画自賛)

 まさか自分でも丸二年も作品を書き続けるとは思ってなかったです。書きたいことを漏らさず書いていたら、これだけの期間になってしまったという…。番外編を書いていた期間の方が長かったのですねー。

 一応の更新終了については、もう随分と前から考えていたことではありました。
 理由としては、自分の中で話を書ききった満足感があること、以前より温めていたオリジナル作品に取り掛かりたいこと、そしてダラダラと続けるよりは、潔く幕を引いた方が作品として良いものを残せるのではないかと思ったこと…など色々ありますが、最後に少しだけお話をさせて頂きたいと思います。まとまりがなくあんまり明るくもない文ですが、興味のある方はお付き合いくださいませ。



・連載終了について

 ここからちょっと暗いので、嫌な方は読み飛ばしてくださいね。
 私にとってこの夢小説を書くことは、今までなかったような楽しさを教えてくれた反面、良い意味で非常に頭を悩ませることでもありました。それは本編よりも番外編を書いていた時の方が顕著であったと思います。

 本編を書いているときは、その基礎となる原作の流れがあり、主人公を絡めつつ決められた(最初からプロットを立てていた)ラストに向かって突っ走るように執筆をしていました。
 けれど番外編を書くにあたり魅力的な既存のキャラクターはいれど、話を一から構成し完結に至らせるまでを自分ですることとなり、私は何度も行き詰まってしまったのです。


 ゲーム発売から時間が流れれば、私の小説のみならずLamentoという作品自体への皆様の興味が少しずつ薄れていくのは、正直なところ仕方のないことだと思います。その状況の中でどうしたら読んで頂けるか、楽しんで頂けるかを考え、自分の趣味を多分に織り交ぜて話を書いてきました。

 けれど自分が面白い、書きたいと思って書いたものが、皆様のご要望に応えられたかというと決してそうでもなく……独りよがりになってないかな?自分が楽しいだけかな?と不安になってしまうことが何度となくありました。

 おそらくそれは、この夢小説が二次創作だということも影響しているのだと思います。非常に魅力的なキャラクターや世界観を、私が書くうちに私の色に染め変えてしまうようで、原作を歪めてはいないか、差が生じてはいないかと時折心配になります。
 「お借りしている」キャラクターを崩してはいけない、裏切ってはいけないと思うほどなかなか思うように話が動かせず、皆様をヤキモキさせてしまったこともあると思います。

 そのいい例が「贖罪の道」と今回の「軌跡」ですね。いやー…この二本は本当に頭を悩ませられました。が、その分非っ常に思い出深いものとなりました。
 拙い構成・展開ではありましたが、読み返すとそのときの葛藤が伝わってくるようでしみじみします。

 まあ何が言いたいかと申しますと、矛盾なく物語を紡ぎ、そして終わらせることがどれほど大変かを思い知ったというところです。世のシナリオライターさんや作家さん、漫画家さんは本当にすごい…! 改めて土下座するほど尊敬いたしました。

 
 この主人公の物語は、自分で満足がいくだけ書ききったと今の私は思っています。それゆえこのまま書き続けたら自分の作品の複製を書くことになってしまうのだろうな、という危惧が同時に存在しています。
 何だそれって感じですが、自分で思いついただけの書きたかったことは今までの作品で記してきましたので、これから作品を書くとなると気持ちの入っていない、今までの「焼き増し」を生むような気がしてしまうのです。

 似たような作品を書きたくはありませんし、それを公開するのは自分の底の浅さをひけらかすようで恥ずかしく思います。ただ甘いだけの話も、量産したいものではありません。ラブとバトルと根幹のストーリーがあってこそ、物語は面白いと思いますので。
 なので次にこの主人公のお話を書くときは、新しいネタが温まったときか、この世界に戻ってきたくなった時だろうな…となんとなく感じたりしています。


 なんだかんだ言ってますが私はLamentoが大好きですし、そのキャラクターも大好きですし、ついでに自分の小説も好きだと言えます。
 もちろん粗も多いし今見ると直したいところがいっぱいですが、大切に書いた作品たちですので密度の濃いまま残したいのです。

 「続けてほしい」と言って下さった方、本当にありがとうございます。ここで更新を終えるのは多摩ゆらの我がままですが、どうかこれからもこの作品たちを末永く愛して下さると涙が出るほど嬉しいです。

 ……と、終わりのようになってしまいましたが、お話はまだ続きます。



・性描写について

 はい、ここからはちょっと明るくなります。いきなりおかしなタイトルですみません(笑)。多摩ゆらは基本的にあけっぴろげな性格なので、下ネタが大好きです(宣言)。

 二年間、細々と話を書き続けてきて、文章を書くにあたっての心境や興味の対象にも少しずつ変化が生じました。その中で自分で面白いなと感じたのが、性的なシーンに対する考え方が変わってきたことです。

 もともと「ラメキャラと女主のHシーンが見てみたい。むしろ書きたい…!(鼻息)」という超不純な動機もあって連載を始めたので、皆様ご存知の通り私はエロいシーンを書くのが好きですし、ついでに読むのも好きです。健康な人間ですので。

 この夢小説を書くまで私はほとんど文章を書いたことがなく、もちろんセクシャルな描写を書くのも初めてでしたので、そりゃあもう初期のエロは非常にノリノリでした。
 本来のハイライトは違うところにあるのでしょうが、恋愛の話である以上、重要な要素の一つだと思いますので私なりに気合いを入れたつもりです。

 けれど改めて物語を見つめなおすと、Hシーンは恋愛上あって当たり前のものでもありますが、必ずしもその描写は必要ないのかな…と今は考えるようになりました。

 心情表現が得意でない私は行為の描写に走ってしまいがちですが、そのものの描写がなくとも面白く、そして胸に響く物語はたくさんあります。エロに頼らなくても面白い作品は面白い。その点、私はまだまだストーリーテラーとして未熟だなと感じます。
 単に話数を重ねて飽和状態になってしまったか、もしくは私がスレてしまっただけかもしれませんが…。

 ただやっぱり好きなものは好きなので、これからも書き続けるとは思います。もっと熱くリビドーを感じてもらえるような描写や、逆に恥ずかしくて死にそうな甘ったるい描写が書けるといいなぁ…。



・リクエスト補足

 頂いたリクエストを少しずつ消化してきましたが、いくつか書ききれなかったものがありますので補足させて頂きます。
 えーと、まずはアンケートで多かった「コノエと、またはライとの子供が見たい」というお話ですが…すみません!書けませんでした〜(泣)
 結論から言うと、二組とも子供はできます。多摩ゆら脳内の家族構成は

 コノエ家【雄、雌】 、 アサト家【雄(カナタ)、雌、+もう一匹…?】
 ライ家【雄】    、 バルド家【雌(リル)、雄(シェン)】

 …こんな感じです。馬鹿だと笑って…! アサト頑張りすぎ(むしろ主人公が)。
 コノエは番外編を見る限り結構早くにできそうだと想像つかれると思いますが、問題はライでしてね…。

 実はライ主・妊娠話の完全に近いプロットが脳内にあることはあるのですが、これが非常に暗いエピソードを元に思いついてしまったもので、これを書いてしまうのはどうかとお蔵入りにしてしまったのです。いや一応はハッピーエンドなのですが。
 そんなに暗いなら別の設定を考えればいいことなんですが、一度考えてしまったのでどうにも覆せず…すみませんが公開することはありません。

 ただ言えるのは、他のつがいよりも結構年がいってから子供ができます。賞金稼ぎという環境やライの葛藤によるものですが、最終的にはライはいい父親になります。そして息子にヤキモチを焼きます(笑)。

 ま、全て私の妄想なので! 皆様お好きに考えて下さいませね。


 あとは「トキノが幸せになる話を…」というありがたいコメントを頂きましたが……す、すみません…。なんだか報われないまま終わらせてしまって。それでも可哀想というよりは「いい子だな」と思ってしまうあたり、私の歪んだトキノ愛が垣間見えるようです。



・終わりに

 本編が終了したときにもたくさん感謝を述べましたが、今回も本当に色々な方に励まされ、そのおかげでここまで更新を続けてこられたことを感謝して終わりたいと思います。

 長く読んで下さっている方、最近読み始めて下さった方、閲覧者様にも色々な方がいらっしゃると思いますが、やはり特にコメントを下さった方や絵のプレゼントを下さった方に厚く熱く御礼申し上げます。

 思うように執筆が進まず落ち込んだ時、迷った時に温かいコメントを頂き、どれほど励まされたか分かりません。
 また絵の描けない塗れない私にとって、頂いた主人公の絵はまさに宝物でありました。自分の想像の中にいたものが、色をなして実体をとったように思いました。

 まだまだどちらもひっそりと募集しておりますので、図々しいですが何か伝えて頂けたらとても嬉しいです。お好きな番外編や気に入ったシーンなどありましたらどうか教えて下さいませ。

 本当にこの物語を書き、また読んでいただけた嬉しさ、楽しさは今までに経験したことのないもので、色々ありましたが濃密で楽しい時間でした。妄想から生まれた主人公と、そして主人公の物語を愛していただき、本当にありがとうございました。

 それでは、またお逢いできることを願って。



 2008.12.31  多摩ゆら


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