【 孟徳ルート 】


赤壁後の一騎打ちでとっさに孟徳のことを考えてしまい、主人公は自分の思考に驚きます。仕方なく抱かれていたはずだったのに、いつの間にか孟徳自身に惹かれていたことに初めて気付いたから。
けれど許都に戻った途端、孟徳は全く触れてこなくなる。主人公は混乱するわけです。

孟徳が主人公を抱かなくなったのは、主人公に本気になってしまって権力で従わせるのが嫌になったため。
でもそんなこと知らない主人公は、仕官することを許されたのも孟徳が自分に飽きて、遠ざけようとしているからだと思ってしまいます。

孟徳は孟徳で、主人公の気持ちが自分に向いているはずがないと思い込んでるから二人は完全にすれ違ってしまいます。両片思いっていいよね!

ある日、「君には世話になったから、何か一つだけ望むものをあげるよ。何がいい?」と問いかけてきた孟徳に、主人公は「(花や玄徳軍とも交流できる)安らかで戦のない国がほしい」と答えます。
それを最後に孟徳の逢瀬は完全に途絶えます。

文若と医官のおじいさんの手を借りて、主人公は医官としてどんどん成長していく。孟徳の愛妾でなくなっても、もう誰も主人公を追い出そうとは思いません。
体だけの関係から始まった二人は、どちらも立場を得て臆病になってしまい、触れることも視線を交わすこともなく数か月が過ぎます。


そのうち医官として独り立ちすることが許され、主人公は許都から離れた城に赴任することになります。
乱世の世、一度離れたら、もう生きて会うこともできないかもしれない。出立前の宴で、主人公は最後に勇気を振り絞り、孟徳に声をかけるのです。「丞相、おそばよろしいでしょうか?」 と。

女らしく着飾った主人公と孟徳。周囲から見ればかつての恋人同士でありながら、すでに主従。
お互いの立場がある二人は、視線と静かな会話を交わすのみです。

けれど距離を置いたからなのか、主人公は孟徳の視線の中に、かつてはなかった自分への情を見いだします。
孟徳も主人公の目に嫌悪でも諦めでもなく、純粋な好意と信頼が宿っていたことに気付き、ハッとするわけです。あんなことをしたのに、主人公は自分を見限ることなく信じていたのだ、と。
でももう赴任は取り消せないし、衆目の前では触れることもできない。切ない、切ないよ…!

その夜孟徳は主人公の部屋を訪ね、隠していた想いを吐露します。それに応える主人公。
ここでようやく、合意の上の濃厚エロシーンが挿入されます。待ってた!(←いい雰囲気っぽかったのに、一気にブチ壊しにしました)

主人公は明日には許都を離れる身。しかも体を重ねるのは超久しぶり。そりゃあもう燃え上がるってモンです。
主人公は恥じらいながら、初めて騎乗位とかやってあげるといい。主人公に求められて、丞相も歯止めが利かなくなります。

「丞相」とか「孟徳様」と呼ぶ主人公に、「孟徳でいい。君には、様は付けられたくないんだ」 とか言ってやるといいよ、赤い人!
「約束する。君に、安らかな国を見せてあげるよ。俺はそのために、頑張るから……」とか言われ、主人公は泣いちゃうわけです。

翌朝、主人公は身を切られる思いで、それでも自分のすべきことのために許都を出立します。それを城門で見送る孟徳……。
そして数年後、女性医官として最高の地位に昇りつめた主人公が凱旋してくるのを、国を平らげた孟徳が今度は堂々と迎えるのです。正式な、妻として。


一見すると強引エロエロ展開になだれ込みそうな孟徳ルートですが、実際は臆病な大人の男女の、しっとり切ない恋物語になればいいと思います。

孟徳ハーレム はできれば解散していてほしいけど、存続しててもいいや。
孟徳が長年待ち続けたのは、城にまで住まわせたいと思ったのは、主人公だけ。そのちょっと苦さも宿した特別待遇が、大人の乙女心をくすぐると思うんですがいかがでしょうか。