完結によせて




 こんなところまでご覧になって下さって、ありがとうございます。Dum spiro,spero 管理人の多摩ゆらです。
 Lamento夢小説「Omnes una manet nox.」全93話、これにて完結です。読了、お疲れ様でした! ついでに私も頑張った…。
 93話……。今数えて、実は結構驚きました。あと7話頑張れば良かったかな……。

 昨年の大晦日から始まり、なんだかあれよという間に話数が増えていった本作も、ここでひとまずの区切りを迎えました。本来飽きっぽい私がこの話を完結させるに至ったのは、ひとえに皆様の閲覧や応援があったからこそです。本当に、ありがとうございました。

 ここでは製作裏話やアホなエピソードなどをダラーっと書きたいと思いますので、皆様も肩の力を抜いてダラダラーっとお付き合いいただければ幸いです。



・書き始めるまで


 まずは、なんでこんな話を書き始めたのかを語りましょうか。
 元々私は乙女ゲームもBLゲームも好きで、ラメもそれはもう発売を楽しみにしておりました。…で、いざ発売して熱中プレイした後にふと思ったのです。「こいつら……ノーマルでもいけるんじゃん?」と。

 ラメの攻略対象は、多分基本的にはノーマル思考なんだろうと私は考えています。
 コノエだからこそ惚れこみ、性的な感情を持つまでに至ったのであって、もしもコノエと出会わなければ彼らは(雌が少ないという現状はあれど)特に疑問を抱くこともなく雌を求めるのではないかと思うのです。
 言い方は悪いですが、『コノエはたまたま雄だった』とも言えます。
 そうしてもおかしくはない自然なキャラクター作りが、ますます作品にのめり込む要因にはなったのですがここでは割愛しましょう。

 BLゲームはしますが本来私はノーマルCPが好きで、ラメは好きでも創作は書けないと思っていました。
 現在のゲーム事情では乙女よりもBLの方がシナリオが秀逸でツボなものが多いから、BLゲームをプレイしてるのかなーという気持ちになることもあります。私はラブだけより、バトル&ラブが好きなので…。

 これは余談になりますが、実はラメ発売前にいくつかの萌えたBLゲームで乙女妄想をした事があります。
 それは夢モノではなく、主人公女体化というある意味歪んだ妄想でしたが、「なんで乙女には燃えるゲームが少ないんだー!」という不満はこの妄想でかなり満たされました。

 じゃあなんでラメはそれ(コノエ雌化)を考えなかったかというと、普通の男の子としてのコノエたんに萌えてしまったからですよ…。
 これはこの子を女体にするよりも攻略してしまいたい!という欲が沸き上がり、夢設定が生まれました。
 でもその後にコノエたんメス化サイト様を発見し、ものすごく萌えてしまったんですがね(笑)

 最初は主人公の性格も何も決まっていなくて、ただ何の気もなしにライ編11話「理由」の雛形を書いた事で、この小説は始まりました。その過程があまりに楽しかったために、これはちゃんと書こう、と決めたのが去年の12月でした。
 ぶっちゃけると、Hシーンを書いてみたいという欲も、原動力のかなりの部分を占めてはいました(笑)。

 ただ、BLゲームの原作で乙女夢というのはネット界では許されるのかどうかを、その時の私はまだ知りませんでした。書いてはみたけど……怒られないか? そうビクビクして一応検索してみたのです。
 すると、咎狗などで夢小説が存在する事を知って一応安心。こうして慣れないDream Makerをおっかなびっくり触りつつ、大晦日に3話までをupしたのでした。




・三つの決め事


 この小説を書き始めるにあたって、私は三つの事を守ろうと決めました。

 一つ目は、コノエの存在をないがしろにしないこと。Lamentoという物語の主人公はあくまでコノエであると、忘れない事です。

 四匹を攻略対象にしようと思うと、どうしても時間軸はゲームの本編沿いになってしまいます。色々と問題もあるので迷ったのですが、やはりこれ以外には考えられないという事で、舞台を設定しました。

 そして主人公が物語に絡んでくるには、ある程度はコノエや他キャラの行動を代償させる必要がありました。(というか、そうしないで話を進める文章力が私にはありませんでした) 
 けれどコノエそのものの行動を取っては、それは単にコノエを雌化したのに過ぎません。なので主人公は主人公として独自の立ち位置を作ると共に、あくまで物事の主体はコノエであるようにと配慮した……つもりです。
 実際のところはコノエがすべきかなりの事を主人公がやっちゃってるんですが、まあ私の意識はこうだったんだよ、という話です。

 これこそ蛇足ですが、攻略対象が主人公の側にいない時はコノエと行動を共にしていて、攻略対象とコノエも絆を育んでいたんですよ…。行間から読み取って頂けたら幸いです。私の表現力では表しきれませんでした(^_^;)。


 気を取り直して二つ目は、主人公を浮いた存在にしないことです。

 前項と重なりますが、主人公なりの立ち位置を据えるために、近作はそれなりに大人で地に足のついた猫を主人公としました。多分に趣味も入っていますが。

 トリップ夢なども考えないではなかったのですが……Lamentoという完成された世界の中では、うちの主人公はいわば異分子なんですよね。その異分子をどうやったら世界に溶け込めさせられるかを考えると、やはりここは事情が通じる存在がいいと思い、ごくごく普通に生きている祇沙の猫になりました。
 コノエの存在を妨げないように超能力などもなし。ラストバトルでは多少色がつきますが、それでも普通の猫です。

 一般猫だからこそ、柔軟な発想をして平穏の尊さも知っているのではないかな…と思います。
 主人公に関する話は、後の項でまた語りたいと思います。


 三つ目は、書き始めたなら最後まで書き上げる、ということでした。

 一度upした以上、途中でやめるのは恥ずかしい…と思います。何より自分が気持ち悪い。
 書き始めた時点でほぼ各Trueエンディングのイメージは固まっていたので、これはここまで書かにゃあ、という気持ちになっていました。
 ……と格好いいこと言っても、一度upした話をちょこちょこ手直しするのはいまだによくやっています(笑) 勢いで書くため誤字が多いし、言い回しも後になって気になってくるんですよ…。


 3つの決め事は、まあそれなりに守ったかな……という気が今ではしています。




・執筆過程


 本作は大きく分けて、三つのパートに分けられます。第一部が共通ルート+発情期、第二部が個別ルートに入ってから決戦前Hまで。第三部がラストバトルですね。

 物語のあらすじはこの各パートごとに考えていました。……つまり共通ルートを書いていた時は、発情期以後の話は全くできていなかったのです! おお、恐ろしい……。
 もちろん要所要所の書きたいシーンの構想はありましたが、それを繋ぐルート全体の流れができていなかったのです。最終的には原作があるために何とか繋ぐことができましたが、オリジナル展開だったら大変な事になっていたでしょうね……。

 書き始めた時点では私はラメを一回こっきりプレイしたきりで、正直イベントの流れも何もよく分かっていない状態でした。
 そこで、取りあえずは発情期までの流れを掴むためにリプレイ&原作の日程ごとのイベント書き出しを行ったのですが……思ったよりもゲーム内で日数が流れている事に驚いたり、リプレイでハマってしまったりと全然作業が進まなくて笑いました。

 その後、ありがたい事に日程をまとめたメモをネット上で見つけプリントアウト。その後の作業はこの日程表に付箋でイベントを書き込んでいくというスタイルを取りました。
 しかしこのメモ、思いつきで書き込んでいるため後から見ると全く意味が分かりません。『バルドなでなで』とか。分かるように書けよ、私……。

 ライナーノートでも書きましたが、当初はまさかこんな話数になるとは全く考えていませんでした。発情期で4つのルートに別れる事は最初から頭にあったのですが、それこそ10話以内で収まると思っていたのです。
 原作プレイに掛かった時間を考えれば、長くなることは当然予想できた訳で。いかに見切り発車をしたかがよく分かるエピソードです。


 一つの話はだいたい1〜2日で書き上げ(『難産』だと5日かかったりしてましたが)、次の日に読み直し&upというペースを続けてこれた事には、自分でも少し驚いています。結構早いですよね……。
 基本的にストックはなし。書いたそばからupしていきます。書いてる時は集中しているので、誤字が多いです。ついでに何となく文章がクサい(笑)  そのあと我に返って修正していますが、私の書く文は基本的に暑苦しい……気がします。あと句読点が多い。

 そういえば、猫なので「人」を含む言葉が使えなかった事が結構大変でした。
 「他人」もダメ、「人気(ひとけ)」もダメで、苦しまぎれに「ひと」ならいいかな…?と使っちゃってますが。
 でも探せば「人」もちょこちょこ使ってると思いますね。


 何度も申し上げたように、原作沿いにしなくてはいけない(なってしまった)部分は、逆に書きづらかったです。二次創作全体の課題かもしれませんが、どこまで原作を引用して良いものか悩みました。
 本当は全くオリジナルな展開で進めるのが一番だったのでしょうが、ね。

 創作といえば、私は今回生まれて初めて二次創作というものに手を出しました。
 といっても、オリジナルだって今までろくすっぽ書いた事はないのですが……。いきなり長編って無謀すぎる(笑)

 ほとんど初めての創作は思っていた以上に難しく、またとても楽しいものでした。
 語彙の乏しさに悔しい思いをしたり、キャラクターらしさを出せずに四苦八苦したり、言葉が出てこなくて呻いたり……ってアレ? 苦しい事ばっかりですね(笑)。

 同じような言い回しが続いたら、それが好きなんじゃなくて「ああ、これしか思い付かなかったんだな」と笑ってやって下さい。
 淵井先生の文章に限らず、自分の影響を受けた作家さんの文体が色濃く出てしまい「あちゃー」と思ったことも沢山です。

 それでも自分の指先で、自分の考えた主人公と既存の魅力的なキャラクターが関係を築いていくのを書くのは力不足ながらも非常に楽しく、慣れぬ辞書を片手に頑張った甲斐が自分としてはあったかと思います。
 ……いや、ホント楽しいです創作。難しいけれども。やっぱりいつか、オリジナルの乙女ゲームをフリー製作するのが目下の夢です。もちろん大人主人公で。ついでに18禁で。(え!)





・主人公について


 自分の考えたキャラについて語るのは恥ずかしい気もしますが……ここは隠さず、いってみましょう。

 キャラクタメイキングとしては、まずは性格(初期設定では姐御肌のツンデレ)と外見ありきでした。最終的には姐御というよりはお姉さん的な性格になりましたが、ツンデレは……ライルートではそれなりに貫いていたような気がします。
 まあ師匠の方が何倍もツンデレなので、デレの方が大きくなりましたが…。

 本当はもっとツンツンしてとんがった性格の予定だったんですが、蓋を開けてみれば割とニュートラルな性格に落ち着きましたね。そうでないと攻略キャラに踏み込んで共に行動させられない、という事情はありますが、もう少し個性があっても良かったかな……?
 別にツンデレがものすごく好きな訳ではなく、今まで雄に追われてて今度は父親が死んだともなれば、最初はどうしたってツンツンになるとは思いますよ。

 漢前度は……ルートによってまちまちですね。キャラに負けないくらい漢前で精神的に強い猫にしようと思っていたのですが、まあ……それなりに。

 外見はアサトの「光みたい」発言を考えていたので金髪は最初から。瞳は当初は紫の予定でした。……というのも、コノエの従姉弟設定は後から付け足された設定だからです。
 賛牙である事は決まっていましたが、主人公が彼らと行動を共にする理由としてただ「気になるから、心配だから」だけでは弱い。主人公にもリークスに目を付けられる理由を……と考えた結果、安易かもしれませんが血縁設定を入れる事に決めました。
 なので瞳の緑はシュイ・母親と同じ色です。髪は父親譲り、顔はシュイとは似ていません。

 この時点でマナと色設定が被っている事に気付いてはいたのですが、これ以外には考えられずスタートしました。苦し紛れに補足すると、金髪はマナより薄く明るい色という事になっています……。 


 次に前述のように地に足をつけた主人公像という事で、職業を考えました。

 当初は主人公、鍛冶師じゃなかったんです。最初に考えていた設定では薬師の予定でした。何か闘いに少しは関係のある職にしたくて。その点薬師なら癒し手としての役割も与えられますので。
 けれどこの設定だと、どうしても起こせなくなってしまうイベントがあるんですね。……お香イベントです。薬草や植物に精通しているはずの猫が、悪質なマタタビ香には引っ掛からないだろう……という事で、泣く泣くこの案は没にしました。

 そして次に思い付いたのが、ライENDラストで主人公が剣を捧げ持っている図だったのです。このイメージにより、主人公は鍛冶師になりました。
 もちろんその時点では、その光景に至るまでのストーリーなど全く考えてはいませんでしたが(笑)。

 でも鍛冶師って刀工ならともかく、資料が少なくてですね……。肝心の仕事内容については出番がない事もあり、かなりボカしてしまいました。


 ちなみにデフォルト名の「セラ」は、セラピストのセラです。……というのは後で思いついたこじ付けですが、私の職業上「セラピー」といったような言葉を目にする機会が多いため、思いついた名前なのかもしれませんね。
 他の候補は「シャラ」や「シェラ」とかでした。……ほとんど一緒じゃん。
 結局はキーボードを打つ回数が少なく、一番こざっぱりしてるセラに落ち着いたのでした。

 余談ですが、初期設定では主人公の口調は男言葉のはずでした。『〜だ』とか『〜だろう』とか、無駄に漢前に(笑)。というのも、元々あまり「〜わ」とか「きゃあ」とか言う口調があまり好きではなかったので…。
 けれど性格的に自然ではないし、何より誰がしゃべっているか分からなくなる恐れがあったため、ごく普通の口調になりました。すると自然に「〜わ」とか使ってましたね。
 まあこっちにしておいて良かったと、今となっては思います。


 主人公も彼らに出会い、心を通わせてそれなりに成長したんじゃないかと思います。
 物語前の時間ではあまり感情的でない、淡白な性格の猫だったという設定なんですよ。今は随分と感情豊かになりましたが。
 しかし皆様に「ヒロインが〜」と呼ばれると何となくこそばゆい気持ちになります(笑)。確かにヒロインなんですが、あまりヒロインらしくないと言うか何と言うか…。嬉しいんですがね。

 その他の超個人的な主人公設定やショボいラフ絵などはこちらに。イメージを崩す恐れが大ですので、ご注意下さいね。



・各キャラルートについて


 *コノエ編

 コノエルートのテーマは(テーマとか言っても、今慌てて考えています・笑。ぼんやりとはあったけど)、年下少年の葛藤と、これぞコノエという全てを包み込む大きさ……ですかね。そう、コノエ編の主役は主人公ではなくコノエの方なのです。

 先に書いたとおり主人公との関係性が分からない時点では、もっともっと近親相姦というタブーの可能性への葛藤をさせたかったのですが、展開を追うのにやっとでそこまでは至りませんでした。
 ……どうなんでしょう。主人公の正体、実はバレバレでしたか? 皆様がどの当たりで気付かれたかを知りたいです。

 共通話の時点であまり話に絡める事ができなかったのが、今となっては可哀想でしたね。
 印象的なのは「叫びT」かな。やはりここの嫉妬と焦燥を書きたくて書き始めたようなものなので。あとは「涙」や「緋の記憶は〜」もコノエルートのみの展開なので、気合が入っていた気がします。

 リークスエンドは後からねじ込んだけど、やっぱり書いて良かったと思います。悔いは残したくないですからねー。そんな理由でBADエンドがやたら多くなってしまいました。


 *アサト編

 「カガリが好きだ」としつこいぐらいに訴えるルート(笑)。各タイトルも花つながりで若干しつこいかも。
 テーマは主人公なりの吉良の在り方の受容と、家族の再生……とか言ってみたり。

 コノエは吉良を捨てろと言いますが、主人公には変なところは指摘しつつも吉良を理解して受け入れる方にベクトルを向けさせたつもりです。
 またカガリという家族はいれど、やはりアサトは肉親や家庭といったものに憧れが強いのではないかと思いあのEDになりました。

 印象的なのはウルキル戦、「誘惑の香り」「君に贈る花」、唯一主人公が怒った「凍えるあなたへ」あたりでしょうか。両BADもひとりで生存エンドで、他キャラとは少し異なる感じになりました。

 ライルートのアサトは本当に胸が痛みました……。でも、楽しかった……(鬼)。
 バルドルートライもそうですが、剥き出しの嫉妬心は燃えます。叶わぬ想いなら尚更。
 
 
 *ライ編

 終わってみればえらく優遇されていた我らが師匠。もちろん好きなのもあるんですが、一番書きやすかったからというのが理由かも…?
 テーマは「対等の言い合い」と「真っ白でない想い」でした。

 対コノエだとコノエがライに導かれていく印象が強いんですが、うちの主人公は付いていってません(笑)。言いたい事はガンガン言うし、好きなところに出向いていきます。ケンカ上等。
 あとはライルートは嫉妬やら独占欲やらが他ルートよりは色濃く出ている気がするので……。

 当初思い描いていたシーン構想は、ライのものが一番多かったです。最初からあったのは「忠告」「誘惑の香り」「届いて」「理由」あたりの雛形ですね。印象的なのもやはりその辺。

 バルドルートのライは本当によく動いてくれました……。ありがとう師匠。


 *バルド編

 とにかく話が動かしづらかったバルドルート。何度となく頭を悩ませました。
 原作もそうですが、主人公が怒っても叩いても凄んでも、なかなか腰を上げてくれないんですよ……!   
 
 元々の読み込みが浅くてバルドの行動が今ひとつ理解できず、助け舟にライの力を借りたのも今となってはいい思い出です。

 でも原作での葛藤を何度も読むうちに、徐々に愛着が湧いてきたキャラでもあります。テーマは「いい加減にしろオヤジ」……ではなくて、「葛藤を越えた先の包容力」ですかね。きっと一度ぐらい浮気しても、バルドなら許してくれそう(笑)。

 ライが深く関わった事で話は動いたけど、ライに見せ場を持っていかれすぎたのは反省しています。もっとバルドの魅力を表現できたら良かったですね。
 印象的なのは「分かち合う傷」「共に負う痛み」の対ですかね。「契約」の駄目バルドも思い出深い……。

 余談ですが、主人公はバルドに貰った腕輪はどのルートでも身に着けていますが、ライのプレートはライルート以外では大事にしまってあります。プラプラして作業の邪魔になる…が理由のようです。ヒドい(笑)。
 


・困った事


 失敗した事を挙げていけばキリがないですが、まずは誤字の多さに泣きましたね。多くの優しい閲覧者様にご指摘いただき、助けられました。
 笑えるのは当初『賛牙』を『讃牙』と書いていた事とか……。バルドルートで主人公の尻を揉んだヴェルグが『バルド』になってたりとか……(見せ場はここぐらいなのに、不憫な)。バルドルート「腕」で誤字が5つくらいあった事とか……(執筆にハマりすぎて寝不足だった)。
 まだまだ探せば出てきそうです。引き続きご指摘をお待ちしております(笑)。


 半分以上の話は集中してガーッと書き上げたのですが、そうでない時も多々ありました。そんな時によく逃避していたのはニコニコ動画とかYou Tubeですね。動画はズルいんだよ……。
 もともとデモムービー好きな私としては、咎狗やらラメやらFateやらの自作ムービーに大ハマリしてしまい、かなりの時間を削ってしまった事を今ここに告白します。だってみんなクオリティが高いんですもん…。

 時間を削ったといえば、予習復習のために原作をプレイしなおす事にもかなり逃避いたしました。
 というか原作の素晴らしさにいつも心打たれ、コノエの深い愛に感服し、もうこれ私が続き書かなくてもいいんじゃない……? などと弱気になったりしていたのです。
 自分の創作も大事ですが、やはり原作あってのものだと深く思っています。

 軽くスランプに陥ったのは発情期のHシーン連続と、BADエンド祭前のバトル続き、祭後のやっぱりバトル続きのあたりでしたね。同じような話が続くのはやはりキツかったです。


 製作で地味に大変だったのが、各話のタイトル付けでした。
 つけとかないと編集しづらいのでタイトルを付けたのですが、私の貧相な語彙ではなかなかしっくりくるものが思いつかず。まあ雰囲気を感じて頂ければ……。


 そうそう、開始当初はこの小説、cookieによる名前保存ができなかったのですよ。つまり一話ごとに名前入力が必要でした。
 元々ゲームレビューのみだった頃にはPCにインストールされてた「サルでも分かる」系の超簡単なHP製作ソフトを使ってたんですが、これが非常に使い勝手が悪くてですね……。一ページごとに壁紙は変えられないし、タグ入力もできないしで業を煮やし、話数が多くなるのを想定して思い切ってソフトを変えたのが共通4話を書き上げた頃でした。

 とは言っても、パソコン音痴の私がサイトを作るのは至難の道のりでした。易しい説明サイト様を見ながらヨチヨチと見よう見まねをする合間も、「こんな事より次の話が書きたいんだよー!」とフラストレーションが溜まったものです。
 今となっては、早い段階で転換しておいて本当に良かったと思っています。

 ただ悔やまれるのは、名前変換の前後に半角スペースが入ってしまう事ですね。小さな事ですが、これはどうにもなりませんでした……。申し訳ない。


 失敗というよりこれは悩んだ事ですが、Hシーンの描写には色々と考えさせられました。
 何度も公言しているようにシーン自体は大好きなんですが、どこまで描写を書いていいものか検討がつかなくてですね……。今まで書いた事もないし。

 あまりに直接的な言葉はちょっとネオロマンス的に(え…?)使いたくなくて、「熱」やら「潤み」やらで結局ぼかしてしまいました。直接的な言葉って何かって? ……それは、皆様のご想像にお任せいたします(笑)。

 全く余談ですが(しかも私の沽券に関わる)、バルド編「腕」を書き途中に実録モノのAVを見て、主人公の痛がり度がupしたというエピソードがあります。何やってるんだ私……。

 終わってみれば結構多くのHシーンを書いた気がするのですが、なんかあまりエロくならなかった事が悔やまれますね。そうそう、「エロい」というお言葉がついぞ頂けなかったのが、唯一寂しかった事だったり。エロって難しいな…。

 



・終わりに


 この夢小説を書き始めて、私の生活は随分と様変わりしました。プライベートな時間の多くをPCの前で過ごし、ラメ以外のゲームをほとんどプレイしなくなりました。
 どちらも他の事が手につかなくなるほど、私がこの夢を書くことにハマっていたという事ではありますが、その原動力となったのはやはり原作の偉大さと、こんな拙い小説を読んで下さった閲覧者様の存在に他なりません。

 捏造をしてでもこの世界を書きたい、と思うだけの素晴らしいゲームを生み出してくださったキラル様には本当に感謝しています。
 原作沿いという事もあり、半ば以上を原作の力に助けられてきた本作ですが、それを読み続けて下さった皆様にも感謝しています。

 当サイト比ではありますが訪問者数がグンと増え、思い掛けないほどの反応を頂けた事、とても嬉しかったです。
 もっと反発意見がくるかと怯えていましたが、温かく受け入れて下さりありがとうございました。
 中には翻訳して読んで下さった方もいたようで……。ちゃんと読めましたでしょうか? 驚きましたが嬉しかったです。

 あと驚いたのは、結構原作未プレイの方がいらっしゃった事ですね。だいぶネタバレしちゃってるんですが、大丈夫だったでしょうか。
 『BLは苦手で』という方もおられまして、そういった方々に読んで頂けたのはとても嬉しかったです。
 

 中でも拍手やメールでコメントを下さった方には、特にお礼を申し上げます。
 「好きなものを書ければいい」とまでは割り切る事ができず、反応と肯定を欲しがった私にとって、やはり生の言葉による叱咤激励は何よりも心に響き、さあ次の話を書こう!という活力になりました。批判も嬉しかったですよ。
 頂いたコメントは全て保存し、よく眺めては気合を入れておりました。
 この夢小説は皆様の支えにより完結に至りました。本当にありがとうございました。
 

 楽しい事が沢山ありました。私が楽しみながらこの小説を書いていた事、伝わりましたでしょうか。
 ほんの少しでも皆様の心に響くものがあったのならば、書き手としてこれほど嬉しい事はありません。

 ……と言ってみても、ペースは落としますがまだまだ番外編を書く気でいっぱいですので、これからもお付き合い頂けると幸いです。別の主人公でも書いてみたいな……。


 それでは長らくのお付き合い、本当に本当にありがとうございました!

 

 2007.9.22  多摩ゆら




 

 

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